2022.11.25

「複雑な問いに向き合える自律共創型組織に」THE COACH for Business導入中の2社が実感する価値とは

2022年11月1日、わたしたちTHE COACHは、法人向け人材育成・組織開発のサービス「THE COACH for Business」の発表会を行いました。

これまでに展開してきたtoC事業の中で、コーチングによって個人の気づきと行動が生まれ、意欲があふれる姿を、わたしたちはよく目にします。その一方で、「所属する組織の中では自分らしさを発揮しづらい」「会社に対して諦めてしまっている」という声も寄せられました。

わたしたちに何かできることがないか、個人だけでなく組織をも変える可能性が、コーチングにはあるのではないか。そうした思いから生まれたサービスが「THE COACH for Business」でした。

本サービスを正式にリリースしたのは2022年11月でしたが、それ以前から多くのお問い合わせをいただいており、すでに導入されている企業が何社かございます。

今回の発表会では「THE COACH for Business」の説明に加え、事前導入いただいている株式会社ペイミー代表取締役・卜部 宏樹(うらべ ひろき)様と、株式会社メトセラ共同代表・野上 健一(のがみ けんいち)様をお呼びし、トークセッションも開催。THE COACHとの関わりやコーチングへの期待についてお話しいただきました。

THE COACH for Businessとは

個人の力を、組織の力に。

この言葉をコンセプトに、一人ひとりの力を引き出し、チームとしてつながりを生み出す人材育成・組織開発のサービスが「THE COACH for Business」です。

本サービスには3つの特徴があります。ひとつ目はコーチング中心の設計であること。

日常で起きたことに対してあえて立ち止まり、そこから気づきを得る。それが原動力となり、行動につながる。このサイクルをコーチングによって回すことで、個人と組織の「自ら育つ力」を耕します。

ふたつ目の特徴は、コーチング・研修・組織開発を、組織の課題に合わせてカスタマイズして提供できること。360°アセスメントを活用したリーダーシップ開発コーチングやマネージャー向けコーチング研修、ボードメンバーの関係性構築プロジェクトなど、その企業に今必要なサービスを提案いたします。

そして3つ目の特徴は、専門性のあるチームであること。プロフェッショナルコーチ、研修講師、組織開発ファシリテーターなどの専門チームが、個人や組織に向き合い包括的にサポートいたします。

これらの特徴があるからこそ、個人の力を組織の力に変える、自律共創型組織作りの伴走が可能なのです。

▼THE COACH for Businessサービスサイト

https://biz.thecoach.jp/

ここからは「THE COACH for Business」を導入いただいている、株式会社ペイミー代表取締役・卜部 宏樹様と、株式会社メトセラ共同代表・野上 健一様、THE COACH共同代表である松浦と岡田ら4名によるトークセッションをお送りします。

ペイミー様の導入事例

株式会社ペイミー
2017年創業。「資金の偏りによる機会損失のない世界を創造する」をミッションに、給与即日払いサービス「Payme」などを提供している。

ペイミー代表・卜部 宏樹様
2019年にサイバーエージェントを退職後、コイニー株式会社代表取締役社長に就任。2021年経営統合に伴いヘイ株式会社にジョイン。 2022年2月から現職。

関係性を深めるために、チームコーチングを実施

THE COACH・松浦:まずは、ペイミー様の組織について教えてください。

ペイミー・卜部様(以下、敬称略):ペイミーは、フルタイムのメンバー10名ほどで構成されています。2022年の2月にわたしが代表になったのですが、それ以前からペイミーに在籍していた方々と、僕が連れてきたメンバーが混在している状況です。

THE COACH・松浦:既存メンバーと、新たなメンバーが融合したチームであるところが注目すべきポイントだと思います。どのようなニーズがあって、わたしたちのサービスを利用いただいているのか、コーチである岡田から説明をお願いします。

THE COACH・岡田:ペイミー様が組織として力を入れたいポイントは、ふたつあります。それは既存メンバーと新規メンバーの融合と、意味の創造です。

既存メンバーにはすでにカルチャーが根付いている一方で、新しくジョインしたメンバーにもカルチャーがあります。

もともとは別のチームだった両者がひとつの組織になり、新たな関係性を育てていくためにはどうすれば良いのか。そしてペイミー自体と社会との関係性の中に、どんな意味を見出だせるのか。現在コーチングを通じて支援している最中です。

具体的なアプローチとしては、ペイミーとして活動する意味を創造するプロセスの中で、まずは自己理解を深めます。自分自身はそもそも何者で、どう生きていきたいのか。ペイミーを通じて、どんな働き方を実現したいのか。

自己理解を進めつつ、チーム内での他者理解も促進します。改めて、メンバーがこれまでどんな人生を生きてきたのかを開示し合いながら、関係性を深めていくのです。

このように個人の働く意味を言語化・共有することで、その先に自然と浮かび上がるのが、「ペイミーとはそもそも何者なのか」。そこから、社会でどんな事業を展開していきたいのか、どのようにして意味を創り出していきたいのかを明らかにします。

複雑な問いに向き合える組織にするために

THE COACH・松浦:「ペイミーとは何者か」。これを明らかにするのは、一般的にビジョンやパーパスを言語化していくプロセスと似ています。それを経営層が固め、決定事項としてメンバーに共有することもできたと思いますが、あえて組織全体で言語化を始めた背景をお伺いしたいです。

ペイミー・卜部:ペイミーを、複雑な問題に挑める組織にしたかったからです。

僕はインターネットの発展とともに、社会人生活を過ごしてきましたが、インターネット黎明期には簡単な問いへのソリューションでも売ることができました。

しかし2022年には、簡単に解ける問いは残っていない。どこにチャンスがあるかを考えたら、やはり複雑な問いに向き合うしかないと思って。それに付随して、僕が考えた答えをメンバーに押し付けるやり方は、もう通用しないだろうと思ったんです。

メンバーからは、新しくミッションを決めてほしいというオーダーがありました。ですがわたしは、トップダウン型で組織を作るのではなく、メンバーと一緒に作りたい。複雑な問題に挑めるチームへの一歩として、まずは相互理解を深めてから、組織作りという答えのない問いに全員で向き合いたかったんです。

THE COACH・松浦:パーパスの言語化を目的とせずに、複雑な問いに向き合い続ける組織体質をいかに作るのか。このプロセスを通じて育まれる関係性を、大切にされているんですね。

メンバーの思いがこぼれ始めてきた

THE COACH・松浦:すでにプロジェクトが始まっていますが、「THE COACH for Business」を活用して感じている手応えや、これから期待していることはありますか。

ペイミー・卜部:たとえば、これまでは業務時間中に感情をシェアすることはほとんどなく、「仕事に感情を持ち込むべきではない」という暗黙の了解が組織内にありました。

ですが、THE COACHの方々が話し合う場を設けて、わたしたちに問いかけることで、改めてメンバーが感情を話し始めた感覚があって。ひとりがコロッと感情を話し始めると、せきを切ったようにみんな話し始める。ああ、いろいろ思うことがあるじゃん。今まで言いづらかったんだろうなと思いました。

お互いに感情を共有した後は、ほっこりした気持ちになったんです。そんな気持ちがメンバーの中で芽生えてきており、手応えを感じています。

THE COACH・岡田:メンバー間で感情を共有し合うのは大切なことです。わたしたちが行っているチームコーチングでは、メンバーに加えてコーチがファシリテーターとして参加し、90分間対話をします。

いくつかの問いをコーチが投げかける中で、コーポレートアイデンティティやビジョンの種になりそうなものが言語化されていく。

その過程で、言葉にならない気持ちが通じ合う場面が何度もありました。ペイミーの皆さんはこのプロセスを経ているからこそ、より関係性が深まってきたのではないかと思います。

メトセラ様の導入事例

株式会社メトセラ
2016年創業。既存治療による効果が不十分な慢性疾患に対して、線維芽細胞および幹細胞を用いた新たな治療法を提供することを目指す、臨床開発ステージのスタートアップ。

メトセラ共同代表・野上 健一様
三井住友銀行やモルガン・スタンレー証券、ザ・リアルリアルを経て、2014年1月よりメトセラの事業化に参画。メトセラでは共同代表として、開発戦略の立案、ビジネスモデルの構築、ファイナンスなどの事業遂行を統括する。

ビジネスを担う代表と、サイエンスを担う代表

THE COACH・松浦:ペイミー様に続きまして、メトセラ様の事例についてお伺いしたいです。

メトセラ・野上様(以下、敬称略):わたしたちは研究開発型ベンチャーで、あしもとの売上を追求する企業ではありません。資金を投入して研究や製品開発を進め、それをビジネスとして成り立たせようと奔走しているのがメトセラという企業です。

THE COACHの皆さんにサポートいただいた背景としては、まず会社の規模が年々大きくなっていく中で、会社の経営の方向性について見直す必要があると思ったため。

また、ひとつの会社として前進するために、共同代表同士の相互の理解を高めることも目的としました。わたしが共同代表としてビジネス面を預かる一方で、もうひとりの共同代表である岩宮はサイエンス面を統括しています。

会社の価値を高めるために、わたしはビジネスの観点から、製品をどのように世の中に送り出すかに取り組む一方で、岩宮はサイエンスの観点から新たな技術を生み出すという、異なったミッションを負っています。

ミッションが違うふたりが、ひとつの会社をどのように経営していくのかを考えていた中、「THE COACH for Business」を知り導入に至りました。

THE COACH 岡田:おふたりのチームそれぞれに役割やカルチャーがあり、その良さを失うことなく、ビジネスとサイエンスをいかに統合させるのかは肝だと感じています。

わたしたちが支援するにあたって意識しているのは、自律共創型の組織です。各リーダーがそれぞれリーダーシップを発揮し、組織同士の共創へつなげる。

共同代表同士、背中を預け合う関係性が育まれることをポイントとし、THE COACHとしては3つのことを実施しています。

ひとつは360°アセスメントを活用したリーダーシップ開発コーチング。メンバーに実施したアンケートをもとに、共同代表ふたりのリーダーシップのあり方に対してフィードバックを行います。

ふたつ目に行うのがエグゼクティブコーチング。アセスメントをもとに、組織内でどんなリーダーシップを発揮していくのかを考えます。

そしてチームコーチングによって、共同代表同士の関係性を深めます。ふたつのチームが手を取り合ってどのように会社を経営していくのかを、現在進行系で向き合っていただいています。

メトセラらしい組織を実現するために

THE COACH・松浦:会社の規模が大きくなるにつれて全体を見通せなくなったり、共同代表との関係性について見直す必要があると感じたりなど、いくつかの要因が重なってプログラムを導入してくださったんですね。

メトセラ・野上:そうですね。「トップダウン型組織は良くない」「ダイバーシティが大事」という一般論はありますが、いざ自分の会社に落とし込もうとすると、意外に答えがないんです。

特にわたしたちのような、研究開発をビジネスと両立させようとしているベンチャーの事例は、探してもほとんど見つかりません。

会社の規模が大きくなるにつれて、「メトセラが作るべき組織のあり方は、おそらく一般的に言われてるものとは違うんだろうな」という気づきがありました。だから、ほかの企業を参考にして型にはめた組織開発をするのではなく、わたしたちにフィットした組織のあり方を探す必要があると考えました。

自分たちのリーダーシップのあり方を考え直したい、自分たちなりの組織のあり方を見つけたい。そのうえでひとつの会社として前に進んでいくために、THE COACHさんにコーチングをお願いしました。

THE COACH・松浦:おっしゃる通り、これからさまざまな組織が生まれる中で、一般論が当てはまる企業は少なくなっていくかもしれませんね。

改めて、ステートメントを言語化する動きが生まれた

THE COACH・松浦:現在サービスを導入いただく中で、生まれ始めている変化やこれからの可能性について、お話しいただいてもよろしいでしょうか。

メトセラ・野上:自分たちは他社と何が違うのか、コーチングを通じて自己認識が進む中で、会社のステートメントを変えようとする動きが生まれました。

振り返れば、もともとは数名しかいなかった職場で、共同代表同士が隣の席でした。創業当時は四六時中一緒にいましたが、組織が大きくなるにつれて働く場所が異なり、協働するプロジェクトも少なくなる。

そんなタイミングで、THE COACHの皆さんにサポートいただきながら、対話する時間が増えたのは大きな変化です。

「実はこういう思いだったんだよね」とか「あのとき、本当はつらかったんだよ」って話せること自体に価値があるんです。これからも困難なことが続くと思いますが、それを乗り越える糧として、今回の一連のプログラムは財産になると思います。

THE COACH・岡田:共同代表のおふたりの対話を聞いていると、どんどん場の体温が上がっていくのを僕らも感じることがあります。

メトセラ全体として、何を大切にして事業を推進していくのか。そのようなことを出し合える時間を作り、伴走させてもらいながらこちらもあたたかくなっています。

サービスを利用し始めて感じる、THE COACHが介在する価値とは

THE COACH・松浦:ここからは、おふた方にTHE COACHが介在する価値についてお伺いしたいです。

メトセラ・野上:ひとことで言えば、本来の自分たちを取り戻せるリトリートの時間。自分たちで内省の時間をとるのは難しいし、たとえ腹を割って話そうと思っても、無意識に避ける話題が山ほどあると思うんです。

そこで第三者であるTHE COACHさんが「その問題は何がそうさせているのか」「何が源泉なのか」問いかけてくれることによって、意識的に問題に向き合える。双方の防衛本能を落ち着かせてくれることで、本音が出てくることがあるんです。

ペイミー・卜部:僕も野上さんと近いものを感じています。THE COACHさんはひとことで言うと、触媒みたいな存在。組織内の関係を取り持って、化学反応を起こしてくれます。

不思議なんですけど、長年同じメンバーと仕事していると、大事なことを話さなくなるんですよね。創業時から思ったことを抑え込んでしまって、今さら口に出せなくなる。要するに、化学反応が起きない状況が常態化してしまうんです。

そこに対してコーチが問いかけることで、改めて原点に帰れたり感情をシェアできたりします。これによってどんな効果があったのか、データとして証明しづらいのですが、目に見えない価値が生まれている感覚が僕の中にあります。

THE COACH・岡田:触媒というのは大事なキーワードです。その企業が、よりその企業らしくなっていくために、THE COACHはサポートしています。

わたしたちは、自立共創型の組織作りを意識してプログラムを設計していますが、それ以上に大切なのは企業ごとのカラーです。その企業がどうなっていきたいのかを傾聴しながら、企業らしさを最大限に活かすためのお手伝いをしています。

THE COACH for Businessは、どんな組織におすすめできるか

THE COACH・松浦:最後に、THE COACH for Businessは、どんな組織におすすめできるでしょうか。

メトセラ・野上:あらゆるステージの企業におすすめしたいです。特に、組織が育ってきて自分たちが何者か悩ましくなってきたときに利用すれば、良い効果が生まれる気がします。

内省の時間が、新しい発見を楽しめるプロセスになると思いますので、ぜひ一度検討していただきたいです。

ペイミー・卜部:僕もいろんな企業がどんどん導入すればいいなと思っています。とりわけおすすめしたいのが、不確実なことに向き合っていく組織。目標や指標がコロコロ変わる中で、何をより所にすればいいのかわからなくなると思うんです。

そんなときに自社を見つめ直したり、組織内で抑え込まれている感情を表出させるのは、不確実なことに向き合ううえで必要なプロセスだと考えています。

ほかには、異なる職種の人たちが協力して、ひとつのことを成し遂げなければならない組織にもおすすめです。

メトセラさんからも、サイエンスとビジネスの融合についてお話がありましたが、たとえばエンジニアと営業の間でも、考え方が合わないことってよくあると思います。そんな人たちが手を取り合うためには、THE COACHのような第三者が触媒として入ってくれた方が、物事がスムーズに進むと思います。

THE COACH・松浦:野上様、卜部様、おふたりともお話しいただきありがとうございました。

THE COACH for Businessにご興味・ご関心がある方は、ぜひ以下から詳細をご確認ください。人と関係性、組織を耕すひとつのきっかけとして、THE COACHがお力添えできれば幸いです。

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▼THE COACH for Businessに関するプレスリリースはこちら

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000069031.html