2024.01.11

誰でもコーチングを受けられる未来を目指して。株式会社ユーザベースの「社内コーチ制度」の今までとこれから

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THE COACHが運営するオンラインコーチングスクールTHE COACH ICPの中には、自身が所属する組織でコーチングを行う「社内コーチ」として活躍している卒業生たちがいます。

今回ご紹介するのは、SPEEDA、NewsPicksなどのサービスを提供する株式会社ユーザベースの社内コーチ制度です。THE COACH ICPのインテグレーション・コース(旧:プロコース)まで修了した3名のコーチの他、キャリアコンサルティング等の経験が豊富な社員さんたち(有志)によって実施されています。

「コーチングをインフラにしたい」

インテグレーション・コース(旧:プロコース)1期生の石川大雅さんは、そんな想いを胸に、社内コーチ制度をスタートさせました。

立ち上げのきっかけや社内での反応、そして社内コーチ制度の普及に向けた今後の挑戦について話を聞いてみました。

《プロフィール》

石川 大雅(いしかわ たいが)
1996年生まれ。THE COACH ICPプロ1期生。
前職にてメンバーマネジメントに失敗し、コーチングを学ぶ。
2021年株式会社ミーミル(ユーザベースグループ)に入社。最年少チームリーダー。
現在は株式会社ユーザベースに転籍し、SaaS事業大企業グループ総合支援チームにてカスタマーサクセスに従事する傍ら、社内コーチ制度運営、チーム合宿や研修の企画など、人材育成やチームビルディングにも関わる。
また、副業でWithCoachとして自分らしさを探求するコーチングを提供。
趣味は茶道と瞑想。

長沼 大史(ながぬま だいし)
THECOACH ICPプロ7期生。
2012年製造業に入社し、BtoB向けの営業・プロジェクトマネジメントを担当。 2020年にコーチングに出会ったことがきっかけで、10年間勤めていた会社を無事に卒業。2022年に株式会社ニューズピックス(現:株式会社ユーザベース NewsPicks事業)に転職し、課金事業のマーケティングを担当。社内向けにコーチング勉強会を定期実施。
1986年生まれ、 子供は2人。家では日々怒られつつも頑張っています。

村松 奈津実(むらまつ なつみ)
1990年生まれ。THE COACH ICPインテグレーションコース4期生(旧プロコース17期生)。
2014年国内家電メーカーに入社し、家電商品マーケティングに従事。ライフイベントを前に自己内省をする中で、コーチングに出会う。2022年より株式会社ニューズピックス(現:株式会社ユーザベース NewsPicks事業)にて新規ユーザー向けのマーケティングに従事、またTHE COACH ICPでの受講を開始。現在は社内コーチの他、社外でも「SAKU. COACHING」という名でコーチングを提供中。飾らず話しやすい場づくりが特長。
プライベートは地方在住の一児の母。コーチングマインドを大事にしながら日々仕事に育児に頑張ってます!

ユーザベースの社内コーチ制度立ち上げの経緯

——まずは、社内コーチ制度立ち上げのきっかけを教えてください。

たいがさん:もともと僕が所属しているMIMIR(ミーミル)という会社で立ち上げたのがきっかけです。MIMIRはユーザベースのグループ会社で、昨年たまたま同じTHE COACH ICPの卒業生が他の事業部にいたことを知りました。また、組織統合というタイミングも重なり、それであればミーミルだけではなく、ユーザベース全体の制度として普及させていこう、という流れに。

▼MIMIRの社内コーチ制度の詳細はこちらから

https://note.com/mimir_note/n/nc16dd276b27a

——3人がTHE COACH ICPの卒業生であることは、偶然…?

ながさん:そうです。本当にたまたまなんです。とあるTHE COACH主催のイベントに参加したときに、たいがさんが仕事終わりにそのまま入ったからか、zoomの名前に「ミーミル(ユーザベース)」が入っていたんです(笑)それで、「あれ、この人同じ会社?」とたまたま気がつき、すぐに声をかけました。

たいがさん:よく気がついたよね(笑)ながさんとなっちゃんは同じ事業部なので、それでなっちゃんとも繋がりました。最初は2人にMIMIRの社内コーチ制度にコーチとして登録してもらったんです。しかし、申し訳ないことにあまり申し込みが来なかったんですね。

というのも、社内コーチの場合、ある程度業務を理解してくれている人に話を聞いてもらいたいと思うメンバーが多いみたいで。直属の上司には相談しづらいけど、業務内容を知っている人や顔を合わせたことがある人、といった絶妙な距離感が話しやすいようなんです。

じゃあ、2人にはMIMIR向けにコーチングしてもらうよりも、自身のNewsPicks事業部で実施してもらったほうが良いだろうと思い、結果としてユーザベース全体へ広げていく方向で進めることになりました。

その日のうちに10人から申し込み。NewsPicks事業部でのコーチングへの反応

——実際にクライアントの募集をかけてみると、NewsPicks事業部ではどんな反応がありましたか?

なっちゃん:「やりたいことがわからない人」「人間関係を改善したい人」「何が悩みかわからないけどモヤモヤする人」など、「こんな人におすすめ」という情報を載せた上で、事業部のメンバー向けに募集をかけました。すると、その日のうちに10人近くの方が申し込んでくれて。

悩みの内容は人それぞれですが、精力的に仕事に励んでいる人でも実は結構悩んでいたりするものなのだなあと、改めて感じましたね。上司に相談するほど緊急ではないけど、自分にとっては重要な悩みってどんな人にもあるのかなと思います。

たいがさん:組織の統合もあり、メンバーたちにとっては大きな変化に晒されたタイミングだったこともあるかもしれまん。環境の変化は「自分が本当にやりたいことってなんだろう」と考える一つのきっかけになりますよね。

あとは、ユーザベースでは3ヶ月に一度、個人の目標設定を行います。個人のWillを大切にする文化があるため、他社と比べると結構高い頻度で自身のやりたいことに向き合う必要があるんです。「自分はこの会社で何がやりたいんだっけ」と少しでも悩んだタイミングで、気軽に使ってもらえるといいなと思います。

コーチングマインドを広めるための社内向けコーチング講座

——社内制度を広めていくために工夫していることはありますか?

ながさん:コーチングを提供するだけではなく、「そもそもコーチングとはどんなものか」を知ってもらうために、月に一度NewsPicks内でコーチング講座を開催しています。たいがさんがMIMIR内で先陣を切って講座を開いてくれていたため、それを参考に、というかほぼ内容は丸パクリでやらせてもらっていて(笑)

講座を受けたことをきっかけに、コーチングを申し込んでくれた人もいました。それもとても嬉しいことなのですが、個人的には社内コーチ制度が広まることよりも、コーチングマインドが社内に少しでも浸透してくれたらいいなという願いがあります。

ユーザベースは意思決定のスピードが早い会社です。それが私たちの強みだとは思うのですが、全員がその意思決定に納得できたり、100%消化できたりしているわけではないと思います。

例えばミーティングの終わりで浮かない顔をしている参加者がいたとしたら、「何か引っかかるところある?」と傾聴スキルを持ったメンバーが1人でもその場にいると、あとから業務や人間関係に問題が生じることを防ぐことができるかもしれません

たいがさん:今度、20代に向けて「30歳の理想の姿を考える」というテーマで講座を開催する予定です。参加してくれるメンバーに対しては、1on1の伴走もセットで提供します。こういった講座をきっかけに、コーチングそのものやコーチングマインドを知るきっかけになってくれたらうれしいです。

人の成長なくして会社の成長なし。社内コーチ制度の可能性

——改めて、社内コーチ制度の必要性とはどんなところにあると思いますか?

ながさん:ユーザベースは強いWillを持ったメンバーが多く、僕はそんなところに惹かれて転職してきました。ただ、目の前の業務に対するWillは明確でも、忙しい日々の中で中長期的な目標がわからなくなってしまう人が多いのが実情です。

なっちゃん:「自分のWillと会社のWillの重なり合うところを考えることが大切」という話はよく聞きますが、それは自分のWillが明確になっている前提の話なのだと思います。そもそも自分のWillがわからないと、迷ってしまうのも当然なのかも……。

たいがさん:中長期的な目線でWillを持てている人のほうが離職率が低いと言われています。特にユーザベースには個人のWillを大切にする文化があるぶん、中長期的な目標設定をサポートする制度として社内コーチ制度が活きてくるのではないかと思っています。

やはり、会社の成長は人の成長に起因しますから。それをあと押しできるコーチングが社内で広まることは、結果として会社にとってもメリットがあることだと思っています。

だからこそ、今後の目標は有志ではなく、社内コーチング制度を会社の福利厚生にして、社内の誰でも無料で受けられ、コーチは社内副業のようなイメージである程度報酬がもらえる状態を目指したいです。とはいえ、これを実現させるためにはなかなかハードルが高いのですが。

——具体的に、福利厚生を目指す上でどんなことが必要だと感じていますか?

なっちゃん:コーチングが会社の成長にどう役立っているのかを見える化させることがきっと大切ですよね。受けてくれた人が「仕事にどのくらい前向きに取り組めるようになったか」や「勤続年数がどれくらい伸びたか」など、アンケートをとり説得材料を整えていく必要があると思います。

あとは、私たちみたいに仲間を探すこと。THE COACH ICPの卒業生は私たち3人ですが、他のコーチングスクールを修了された方やキャリアコンサルタントなど近い領域で学んだことのある人も結構在籍しているんです。声をあげてみると、意外と近くに仲間はいるのかも。

たいがさん:そうだね。あとは、僕らがやっているような草の根運動をつづけることですかね(笑)メンバーの関心に刺さりそうなテーマでコーチングに関連するイベントや講座を開催し、そこで興味を持ってくれた人の受け皿として社内コーチ制度が機能する。そうやって、少しずつコーチングの認知度を高めていくことが大事だと思っています。

ながさん:意思決定に近い人がコーチングの良さを体感することも大事ですよね。コーチングの良さって言葉で説明するのは、なかなか難しいと思っていて。でも、自ら体感したら、すごく腑に落ちるものがあると思うんです。だから、草の根的な運動と意思決定に近い人にもちゃんとその良さを伝えていく。その両方が必要なのかなと思っています。

コーチングをインフラに。社内でやるからこそ描けるもの

——社内にコーチングを広めるために精力的に取り組む皆さんにとって、「社内コーチ」としてのやりがいはどんなところにありますか?

なっちゃん:マーケティングという本業以外で会社の成長に貢献できることや、目の前の人が幸せに近づくお手伝いができることにとてもやりがいを感じています。

あと、社内コーチングに申し込んでくださる方には「コーチングが気になってたけど受けるのは初めて」という方が多くて。社外で個人的にコーチングを申し込むよりハードルが低いんだろうなと思うんですよね。そういう意味で、コーチングマインドを広げる役割ができているなと感じられることは嬉しいです。

ながさん:僕はこの会社に転職したばかりの頃は自分が会社に対してどう役に立てるのか、少し不安を感じていたんです。そのため、「自分にはコーチングがある」と思えることはかなり自信になりましたね。

あとは、月に一度開催しているコーチング講座に毎月参加してくれるメンバーが3人いるのですが、そのメンバーたちがどんどんコーチングが上手になっているんです。きっと業務の中でも自然とコーチングマインドを発揮してくれているのではないかと想像します。

もともと僕は、事業だけでなく人にも意識を向けたマネジメントができるようになりたいと思ってコーチングを学び始めたので、その想いが他の人にも伝わっていることがとてもうれしいです。

たいがさん:僕は「コーチングをインフラにしたい」と強く思っています。THE COACH ICPを卒業したとき、コーチングを受けることってメリットしかないと強く思ったんです。だから、どんな人もコーチングを受けることが当たり前になる世の中になったらいいなと思っています。

ただ、それを僕1人で実現させるには限界があります。こうして社内に仲間を見つけられたことがすごく心強いし、個人ではなく社内でやるからこそ大きなインパクトを出せるはずだと思っています。

執筆:佐藤伶

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