2022.06.28

神山まるごと高専(仮称)の教職員に向け、コーチング研修を行いました!【開催レポート】

こんにちは、THE COACHです。わたしたちはオンラインのコーチングスクールTHE COACH ICPを運営しています。

2022年3月からは、私立高等専門学校「神山まるごと高専(仮称・認可申請中)」(以下:神山まるごと高専)との連携をスタート。2022年3月末には「神山まるごと高専 presents 未来の学校FES」に参加し、中学生に向けてコーチング体験会を開催しました。

続く取り組みとして、2022年5月7日、8日、6月5日の3日間、神山まるごと高専の教職員予定者の皆さんに向けたコーチング研修を実施。約20名にご参加いただきました。

本noteでは、「コーチング研修」の内容を抜粋し、開催レポートとしてお届けします。

Day1 コーチングを学ぶための基本

Day1では、コーチングを学ぶための基本を身につけていきました。

教職員予定者の皆さんが講座の初めに取り組んだのは、「チェックイン」。気がかりなこと、感じていることの共有、「誰が何を話してもOK」といったグランドルールの確認を行い3日間のコーチングの旅をスタートさせました。

Day1で教職員予定者の皆さんに投げかけられた大きな問いは「いま、あなたにとってコーチングはどのようなものですか?」。コース期間中、教職員予定者の皆さんはこの問いを握りながら歩んでいきました。

1日を通して、コーチングの基本を学んでくださった教職員予定者の皆さん。Day1終了後の感想として、下記のコメントが寄せられました。

研修前はコーチングのスキルを覚えるというつもりでいましたが、木の根っこ部分(コーチングマインド)が大事と知りました。ネガティブな内容を含んだ対話においても、コーチングマインドが生かせそうと思いました。

Aさん

教員研修の場は、どうしてもスキルやスタンス的な内容が多いが、自己の器、コーチングマインド、パートナーシップなどの土台になる部分をみんなで見つめ直すタイミングは継続的にあるといいなと感じた。(Bさん)

Bさん

Day2 大切なコーチングスキル

Day2は、前日に学んだこと、感じたことを自分なりに言語化するところからスタート。スライドを復習したり、「コーチングマインド」「傾聴」「フィードバック」などのキーワードを思い出したりしながら、改めて「コーチングとはなにか?」と向き合っていきました。

復習を終えたら、いよいよ新しい学びの始まりです。Day2では、コーチングの「スキル」の面に焦点を当てて研修を進めていきました。

コーチングスキルを中心に扱うDay2ですが、研修の大半を占めるのは「実践」です。教職員予定者同士でペアを組み、デモンストレーションを繰り返しながら学びを深めていきました。

▲THE COACH講師によるデモンストレーションの様子

セッション中には、研修担当の講師がコメントをしたり、フィードバックを届けたりする場面も。「これを試してみて」「Good & More」などの声を生かしながら、実践を重ねました。

Day1、Day2と2日続けてコーチングと向き合ってくださった皆さん。研修が始まる前と2日目を終えた後の「コーチング」の捉え方には、すでに変化が表れているようでした。

「コーチ」と聞くと何かを教え・導くものとばかり感じていましたが、クライアントの心を引き出し、自身の気づきを大事にするものだということを知ったのが一番の学びでした。意識や理論を学んだことで普段の無意識や我流の話し方に論理的な裏付けを得ることもできました。

Cさん

昨日は対話をしていても自分の発話の意味づけがまるでできなかったが、一晩熟成させたからか、きょうはちょっとだけ(対話をするときの)状態を意識できるようになった気がする。好奇心の対象を「事柄」とするか「心」にするかで振り返りの深まりが変わるとわかった。

Dさん

Day3 学びの統合と発展

5月8日のDay2から、1ヶ月後に開催されたDay3。Day2同様、冒頭ではこれまでの学びを振り返り、3人1組でシェア。1ヶ月の気づきや変化をシェアした後は、いよいよDay3のアジェンダに進んでいきます。

Day2までは座学、2人組での対話を中心に進んできた本研修。Day3では、「トライポッド」と呼ばれる、3人1組でコーチングセッション、フィードバックをしあう練習の場を設け、多くの実践を重ねていきました。

トライポッドの際に活躍するのは、コーチ役・クライアント役だけではありません。セッションを注意深く観察し、フィードバックを行うオブザーバーの存在が、トライポッドをより意義のあるものにしていきます。

トライポッドのあとは、「学生とかかわるうえで大切にしたいことやスタンスとは?」「コーチングとティーチングの違いや使い分けは?」といったテーマについてグループで対話を深めていきました。

3日間という短くも長くも思える旅を終えた教職員予定者の皆さん。最終日に共有いただいた感想にはポジティブなものが多く、「教育の現場でどのように生かしていくか」に言及してくださっている方も多くいらっしゃいました。

(神山まるごと高専で)いかにわたしたちが目指している「学生自身が自治して創っていく学び空間」という新しいパラダイムを実現していけるのか。これが時に困難で、そしてとてもやりがいがあるプロセスだと思います。
今回の3日間の研修は、その困難なプロセスを共に旅していく仲間である教職員の中で、共通の寄って立つ基盤を形作る貴重な時間だったと思います。僕にとっては、それは単なるコーチング技術というより「対話の文化」と呼ぶべきもの。そうした文化があってこそこの高専に魂が入ると思うので、その意味でもとても貴重な時間でした。

Eさん

講師のけんせいさんが発する「いい問いが生まれましたね」という言葉がなぜか気になって頭の中に引っかかっていたが、3日目にして、「私の中でのコーチングはセッションする中で問いを生み出すことなんだな」と腹落ちした。私にとってのコーチングがこれからどんなふうに変化していくのか楽しみです。

Fさん

コーチングに対する概念が変わった。相手を理解する、決めつけない。
きっかけの提供、誘導しない。関係づくりの手立て、相手を変えようとしない。
また、フィードバックとしても有効だということにも気づけた。コーチングし合うことで学生同士、教職員同士で成長するためにフィードバックをするスキルをアップできそう。なによりみなさんとたくさんお話しできて楽しかったし嬉しかったです!ありがとうございました

Gさん

研修を担当した講師の声

岡田 裕介(おかだ ゆうすけ)

THE COACHは「コーチングマインドを社会に広げる」というミッションをもとにコーチングを学べるオンラインスクールを提供しています。人の可能性を信じたり、多様なあり方を認めていったりするような、コーチングの根底にあるマインドがより社会に広がっていくためには、学生たちを取り巻く教育の現場から広がっていくことが重要だと考えています。今回のコーチング研修を通じて、神山まるごと高専の教職員予定者のみなさまと、学生たちにとって必要な関わり方や教育の環境とはどのようなものか?一緒に探究する機会をつくれたことを非常に嬉しく思います。

仁志出 憲聖(にしで けんせい)

学び、実践、対話を繰り返し行った濃密な3日間。教職員予定者のみなさんがお互いの気持ちや価値観を大事にしながら、本音を出し合い深く耳を傾けたことで、相互理解にも繋がり、心理的安全性の高い場が作られていました。また、共通言語を持てたことで、新たなカルチャーの芽が出た瞬間のようにも感じます。受講いただいた教職員予定者のみなさんをみていると、多様な価値観が受け入れられ、教員も職員も「学生の可能性」を全力で信じる、そんな学校が神山に誕生するというワクワクした気持ちです。

THE COACHと神山まるごと高専はこれからも、「他者と共創できる文化」の醸成を共に行ってまいります。神山丸ごと高専についてご覧になりたい方は、以下の公式サイトをご覧ください。

https://kamiyama-marugoto.com/