「コーチングに出会ったのは10年ほど前、わたしが自分史上最大の『暗黒時代』にいたときでした」。そう笑うのは、THE COACH Meetの登録コーチ、恩塚 翔子(おんづか しょうこ)さんです。
恩塚さんは現在、チェコ共和国プラハ在住。国際結婚した旦那さまと、2歳の男の子と生活をしながら、ライフコーチとして世界中に住む日本人を対象にセッションを提供しています。「コーチングに出会わなかったら、今の私はなかった」と語る彼女は、自身も10年にわたってコーチングを受けつづけています。
恩塚さんは、コーチングの魅力をどこに見出し、なぜコーチになった今も「クライアント」で在り続けているのか。そしてなぜコーチとしての道を歩み始めたのか。今回のnoteでは、THE COACH Meet登録コーチ、恩塚さんのこれまでとこれからについて伺いました。
周囲の期待に応える“華やかな”人生が迎えた転機
わたしは幼少期からある意味優秀な“いい子”でした。周囲の期待を感じ取り、それに応えることでキャリアを作ってきたと言ってもいいかもしれません。高校受験、大学受験、就職活動…どれをとっても「わたしがこうしたい」ではなく、「周囲からの期待」が選択の軸になり、わたしのキャリアは一見とても華やかなものでした。
転機になったのは、リクルートで働いていた28歳のとき。上司との1on1で「お前はいい子ちゃんやな。せやからおもんないねん」と言われ、図星すぎて言葉が出なかったことでした。今なら心から感謝できるこの言葉ですが、当時の私は悔しくて涙をこらえるのに必死でしたね。
当時は私生活でもパートナーがいなかったのですが、「素の自分を出せない」どころか「自分そのものが無い」んだから相手もわたしのことを好きになりようがないんです。仕事もプライベートも空回りし始め、今どうにかして自分を、人生を、変えていかないといけない!と痛感したのが28歳のときでした。
とはいえ、何からやったらいいか検討もつかず、当時借りていたワンルームで朝から晩までただひたすら答えを求め、泣きながらパソコンに向き合っていました。そんなときにたまたま検索で出てきたのが、コーチングだったんです。
疑いの目を向けていたコーチングが、自分の背中を押すものになった
実は、最初はコーチングを疑っていたんです。藁にもすがる思いでセッションを申し込んだにもかかわらず、心のどこかでは「なんか怪しい」と思っていて。実際にセッションがはじまっても、コーチに対して「あなたはわたしに何をしてくれるんですか?」という態度。今思うと本当に斜に構えていましたね(笑)。
ですが、体験セッションを受けたあとにその気持ちは払拭されました。この人は本気で私の人生に耳を傾けているというのが、態度や会話の端々から伝わってきました。体験セッション後も、日々に忙殺されて連絡をさぼっていた私に、「その後どうですか?」「もう一回話してみませんか?」とちゃんと働きかけてくれた。そんな彼女のおかげで今につながってるんです。
彼女とのセッションの中で、今も忘れられない運命の問いがあります。それは、今のパートナーと国際結婚することを決めたときのこと。
それまで誰かが敷いてくれた安全でキラキラしたレールの上を歩んできたわたしにとって、当時の会社を退職して国際結婚をするなんてことは人生の脱線以外のなにものでもありませんでした。そんなときにコーチは、わたしにこう問いかけたんです。
「目の前にふたつの道があります。ひとつはこのまま会社に残って日本で生活をし、日本で暮らす人と結婚をする。もうひとつは、どんな未来が待っているか分からないけれど今の彼とチェコで生きていく。恩塚さんは、本当はどちらにワクワクしているんですか?」
この問いをもらって、あぁ、もう私の心は決まってるんだと悟りました。もしも今チェコにいく道を選ばなかったらこの先も永遠に後悔する。「たとえ茨の道でも、私は彼とチェコに行く道を選びます。」と自分の言葉でコーチに伝えたのが、のちの人生を大きく変えた瞬間でした。
コーチと10年歩み続け、自分の心に従った選択を軽やかにできるようになった
10年もの間コーチングを受け続けているというと驚かれることもありますが、それは私が望む人生を描いて実現していくためには、コーチングの時間は必要不可欠だと思っているからです。私が人生の選択に直面したときに、葛藤や迷いも含めて私の全ての想いを知ってくれている人が世界にひとりでもいる。そう思えるだけで、無限に勇気が湧いてきます。
この10年、様々なライフステージの変化がありました。その度にわたしはコーチングの時間を通じて、自分が心から望む未来に真正面から向き合ってきました。この長いクライアント体験からひとつわたしが明確に言えるのは、「自分の心に従って人生を選択をする筋力」は、鍛えられるということです。暗黒時代にいた28歳のわたしには、当時この筋力はゼロでした。ですが、コーチとともに勇気をだして飛び込んでみる。自分らしい選択をする怖さとその倍以上の喜びをちょっとでもいいから経験してみる。その繰り返しで、筋力はつくんです。今わたしはその訓練のおかげで、当時の自分からは想像できないような世界を生きています。
いろんな選択を結構軽やかにできる自分になり、人生が切り開かれるスピードも上がったと感じています。
「生きざま」を見せるコーチに
自分自身が“コーチングが持つ人生を変えうる強烈なインパクト”を経験したこともあり、コーチになりたいという思いは自然に湧いてくるようになりました。まずは、チェコでコーチングの資格を取得。2019年には、コーチングスキルをより深めるために、妊娠中にもかかわらず2度にわたって帰国しCTIというコーチングスクールを受講しました。コーチになって4年、チェコの地から世界中の日本人の方々へコーチングを行ってきました。
コーチングは、人間の根源的な欲求に沿ったアプローチだと感じています。自分らしく生きたい、心豊かに暮らしたいと本当はみんな願っているはずですが、大人になるとそれが難しくなってしまいます。コーチングは、蓋がされてしまった本当の願いを掘り起こし、叶えにいくための時間です。
コーチとしてわたしが何よりも大切だと思うことは、コーチ自らが自分の人生に一生懸命だということです。皆さんはどんな人に応援してもらいたいですか?きっと、意志をもって自分の人生を歩んでいる人だと思うんです。だからまずは、わたしがわたしの人生を生き切る。そして、胸を張ってクライアントと対峙できる自分で在り続ける。そうやってエネルギーに満ち溢れた状態のわたしで向き合うからこそ、クライアントも自然と勇気が湧く。そんな循環だとおもっています。
「生きざまを見せる」それでこそ本当のコーチじゃないでしょうか。
28歳のあのとき、「体験セッションを受ける」という選択をしなければ、今の私はいません。ほんのワンクリックの選択。それが人生を変えたんです。それくらい、人生が変わるきっかけなんてどこに転がっているかわからない。逆に言えばチャンスはいつでも目の前にあって、それをつかむかつかまないかは自分次第。ぜひ体験セッションで、最初の一歩を踏み出してみてください。
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