2023.04.25

「マネージャーにコーチングスキルは必要?」経験豊富な現役マネージャーに聞いてみた

「コーチングの学びは、仕事にどう活きる?」
「プロコーチを目指していない人が、コーチングを学ぶ意味はある?」

このような疑問にお答えするため、コーチングを学んだ後コーチ以外の職種で活躍される方をお呼びし、ざっくばらんにお話いただく本企画。

2回目となる今回は「マネージャー編」。

  • マーケティングチームや支社のマネジメントを経験しているマネーフォワード藤田さん

  • 新卒入社した会社で、約7年間マネージャーを務めるサイバーエージェント若林さん

  • 人事責任者を経験後、コンサルタント・プロコーチとして独立したツナグtobe石川さん

マネージャーとしての経験が豊富な3人をお呼びし「マネージャーがコーチングを学ぶ意義」を伺いました。コーチングを受けようか迷っているマネージャーの方はぜひお読みください。

石川博基(いしかわ ひろき)
2008年から元リクルート系不動産デベロッパーで、営業職や人事責任者を経験。2019年にプロコーチ、人事コンサルタントなど、人と組織のプロフェッショナルとしてパラレルワークを始め、後に株式会社ツナグtobeを創業。THE COACH ICPのコースリードとマネジメント向けのコンテンツの設計や運営を担当している。

藤田 綾香(ふじた あやか)
2011年に新卒で商社へ入社し、総合職を経験。その後、現在も勤めている株式会社マネーフォワードへ転職。関西支社立ち上げや関西支社長を経験後、マーケティング部門でマネジメントをしている。THE COACH ICPプロコース9期生。

若林 真悟(わかばやし しんご)
2011年株式会社サイバーエージェント新卒入社。2017年より宣伝本部マーケティング戦略室マネージャーとして、「ABEMA」のマーケティングを担当。THE COACH ICP応用Bコース修了。

テーマ1. コーチングを学ぼうと思ったきっかけ

若林:コーチングを知ったきっかけは、THE COACH元代表のこばかなさんのツイートでした。コーチングを受ければ世界の見え方が少しずつ変わるらしい——そんなニュアンスをツイートから受け取って、お試し感覚でコーチングを受けてみたんです。

コーチングセッションの時間に、日々のマネジメント業務でモヤモヤしていることを話してみたら、頭の中が整理される感覚があって。モヤモヤしてどうすれば良いのかわからない状態から、具体的に次にどんな行動をすれば良いのかがわかるようになりました。

このコーチングの技術を自分が身につけて、チームのメンバーの話を聞けたら、組織に良い変化が起こるのではないかと期待して、THE COACH ICPに申し込みました。

藤田:わたしも若林さんと同じくマネジメントをする立場なので、そのスキルにプラスアルファして、コーチングが役に立つと良いなと思っていました。

学習環境を探している中で、THE COACHのオンラインイベントを見つけて、コーチングのデモンストレーションを見たんですよね。それを視聴した後に、即決で基礎と応用コースの受講を申し込んだんです。なんとなく性に合っている、と思って直感で決めてしまいました。

石川:僕がコーチングを学習する動機となったのはふたつあって、まずは夢であり、いつか取り組みたいと考えている学校教育系事業に向けて、ティーチングだけではなくコーチングを身に着けておきたいと考えていたためです。

もうひとつは、人事として働いている中で感じていたモヤモヤを払拭するため。採用面接や人事面談を行うので、誰かの人生のターニングポイントに関わる機会が多い仕事でした。

「あなたはどんなことがしたいですか?」「何を目標としていますか?」と求職者や社員の方へ聞いていたのですが、自分にそれを問う資格があるのか気になり出して。質問が自分に跳ね返ってくるんですよね。本心から答えられているのだろうか?答えている自分は自分の人生を生き切っているのだろうか?と感じた自分がいて、質問する側の自分がそれで良いのか?と感じたんです。その自問自答する日々に変化を入れたくて、コーチングを学び始めました。

テーマ2. コーチングを学んで得た、気づきと変化

石川:コーチングを学び始めた当初は、感情に目を向けるとか、言葉で説明できない何かと向き合うのが、何でも論理的に考える癖のある自分に合いませんでした。何をやっているんだろう、というのが正直な感想だったんです。

しかし、自分の感情面にフォーカスする時間が増えたことで、ロジカルな世界だけで考えていたときには、見えてこなかった部分を意識できるようになり面白く感じるようになりました。

そこから自分の本当の願いに気づいたり、チームメンバーの感情の機微に気づけるようになってきたりして。もしかしたらインパクトがあるのかも、と思うようになったんです。

感覚としては、頭で考えるビジネス的OSと、心で感じ取るコーチング的OSを両方搭載している感じ。今はそれぞれが融和していって、ビジネスの現場でもコーチングの考え方を活用できています。

藤田:わたしは、THE COACH ICP基礎コースがコーチング学習のスタートでした。受講初日の感想として強烈に覚えているのが、初対面の人と話してこんなにも癒やされるんだ、という感覚です。

まったく知らない人同士、Zoomで話し合った経験があまりなかったので、最初は緊張していたのですが、傾聴の実践練習が楽しくて時間を忘れていました。

傾聴を練習するなかで、今までの自分は「次何喋ろうか」「つまりこう言いたいのかな」と意識が自分に向いてしまって、きちんと話を聞けていなかったんだなと気づきましたね。

若林:今まで話を聞けていなかったというのは、自分も同じように感じました。思い返せば自分は、メンバーの話を聞いているようで、どんなフィードバックをしようかを考えていたんですよね。人が話している最中に、頭の中が自分のことでいっぱいになっていたのがショックでした。

コーチングを学んだことで、相手の感情や心の奥底にある願いにアンテナを立てながら、話を聞けるようになったのは大きな変化です。

藤田:コミュニケーションの中で、相手の心の奥底に目が向くようになったのはわたしも同感です。

以前までは、人からネガティブなことを言われるのが怖かったんですよ。メンバーとの1on1でも、不満を打ち明けられると心がざわつく感覚があり、相手の気持ちに集中して聞くことができていなかったなと思います。

でも今はネガティブなことも話してくれた方が嬉しいんですよね。あ、この人本音で話してくれてるんだって思いますし、その発言が糸口となって、相手の奥にある願いに注目できるようになる。

メンバーからの不満も、お客さんからのクレームも、改善策を考える材料になるので「もっと聞かせてくれ!」と思えるようになりました。

テーマ3. マネージャーがコーチングを学ぶことで、チームにどんな影響がある?

藤田:チームのメンバーと接するスタンスが変わったと思います。もともとは、メンバーをサポートしなければならない、守ってあげないとだめだと言う感覚でマネジメントしていました。

ですが、THE COACHの講師の方が「人は生まれつき満ち足りた全体性のある存在だ」という話をしていたのが印象的で、その人のあるがままを直す必要はないんだなという考え方に変わったんです。

できないことがある=何かが足りていないという考え方ではなく、ただ光が当たっていないだけで、何らかの可能性を十分に秘めている。メンバーを信じられるようになってからは、これまでの上下の関係性からは大きく変わったように思えます。

若林:確かに上下関係というより、メンバーとは人対人という関係になれている気がします。これまでは組織という枠の中で、どう成長してもらい成果を上げてもらうか、先輩として教える関係性でした。

ですが全体性の話を聞き、人対人だと捉えられるようになったことで、ほんとうの意味で相手の幸せを考えられるようになりました。メンバーの願いというのは、仕事やプライベートに関わらず何でも良いんです。メンバーの人生が豊かになるためにどうすればよいのか。組織としてやりたいことと、メンバーのやりたいことが重なるのであれば、そのサポートを自分がしたいと考えています。

石川:コーチングを学ぶと、チームメンバーの真の願いに関心が寄せられたり、相手の可能性を信じられるようになると、実体験として僕も感じています。本当にメンバーのことを信じていて、全体性のある存在だと感じているからこそ、もったいないぞと厳しいことも言えるんです。

僕との1on1で良い時間の使い方だと感じてくれたのか、直接的な理由はわかりませんが、次第にメンバーが先輩後輩関わらず、自発的に1on1をするようになって。マネージャーがコーチングを実践することのインパクトを実感しました。

若林:メンバーの言動の変化で言うと、自分の周りの人が「つらい」「悲しい」「しんどい」と素直に弱音を言ってくれるようになりました。おそらく今までは、上司の前で頑張っている自分を演じてくれていたし、僕も頼れる上司であろうとしていました。

今はお互いネガティブなことを隠さず話せるようになっており、組織として健全な状態になっていると感じています。

藤田:わたしも今までより、頼ってくれる人が増えてきたと感じています。誰でも1on1を受け付けています!と社内発信した影響もありますが、自分のチーム以外の人と話す機会が増えました。

直接の上司には話しづらいことでも、保健室の先生みたいな立場で話を聞くことができています。利害関係が薄いからこそ、話せることってあると思うので、わたしなりの方法で組織に貢献していきたいと思っています。

テーマ4. コーチングの学習はどんな人におすすめか

石川:コーチングを学ぶことで、マネジメントスキルの幅や厚みが増すのですが、メンバーにインパクトが及ぶ以前に、自分のあり方を見つめ直す時間にもなります。マネージャーが変わっていく姿を、メンバーはきっと見ているし、いずれは影響を受けると思います。まずは自身の変容の機会として学んでみてはいかがでしょうか。

若林:コーチングはスキルではなく、マインドに変化を与えてくれます。自分の中身がガラッと変わる体験だと思いますし、これからも自分の中で変化を起こし続けようと思えるエネルギーをもらえました。スキルだけでなく意識や行動面に変化を加えたい方にとって、コーチングを学ぶのは良いきっかけになるはずです。

藤田:THE COACH ICP受講前、プロコース卒業生の方が「やっと人間になれた」と話していたのが印象的で、わたしもそんな変化がほしいと思って受講しました。今となっては、その方が言っていたことが分かる気がします。ぜひこの感覚を味わっていただきたいので、コーチングに興味のある皆さんにおすすめしたいです。

コーチングスクール「THE COACH ICP」では、授業の70%以上の時間を練習やディスカッションに費やし、コーチングのスキルとマインドが身につくまで徹底的にサポートします。

プロコーチにもなれるTHE COACH ICPですが、卒業生のなかにはコーチングスキルをほかの職業に活かされる方も多数。クリエイティブ活動やセルフコーチング、チームビルディング、マネジメントなど多様な業務にコーチングが活用されています。

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