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コーチングの学びは、プロコーチを目指す人だけでなく、あらゆる場面で生かすことができます。家族の一員として、経営者として、マネージャーとして、そして一人の人として、コーチングを学ぶ意義とはどんなところにあるのでしょうか?
THE COACH ICP受講生の青木 優さんは、経営者としての課題に向き合う中でコーチングと出会い、自分自身や家族、会社のメンバーとの関係性づくりにおいてTHE COACH ICPでの学びを日々実践されています。
今回は、そんな青木さんに今後目指したい組織のあり方や人との関係性づくりについて聞きました。
経営者としての課題にぶつかり、コーチングを受けはじめた
——コーチングに出会ったきっかけは何ですか?
「経営者はコーチングを受けたほうがいい」とある人からアドバイスを受けたこともあり、6年ほど前から継続セッションを受けてきました。特にここ2〜3年は、経営者としての課題に向き合いたいと思い、「メンタルモデル」を軸とした活動を行うインナーテクノロジー研究家の三好大助さんのセッションを受けたこともあります。
——経営者としての課題とはどのようなものだったのですか?
本来は他のメンバーに任せた方がいいところを、経営者である僕自身が現場に介入しすぎてしまうところがあったんです。その課題は前々から認識していたし、いろいろ試してきたはずなのに、また同じ失敗を繰り返してしまう。「どうしたら自分の癖を変えられるだろうか」「この課題の根っこはどこにあるのか」を知りたかったんです。
相手を尊重し、口を出さずにまずは待ってみること。それを意識していければ、目の前の現実は変わっていくと、セッションを続けるなかで思えるようになりました。結果として、メンバーとの関係性もより深いものになったと思います。
「いる」「なる」「する」の順番が大切
——コーチングを通じて自身の変化をすでに体験されていたわけですが、改めてTHE COACH ICPでコーチングを学んでみていかがでしたか?
最初は「基礎コース」だけを受けたのですが、すごく体験がよかったので、すぐに「応用ABコース」の受講を決めました。
普段どんなことをしているのか全く知らない人たちであるにも関わらず、他の受講生たちと気持ちを許し合って自由に話せる空間が心地よかったです。「心理的安全性」がまさに体現されている場で、自分も会社内にこういう空気を作れたらいいなと思ったのが最初の印象でした。
社内の1on1でも、クライアントワークでも、関係性が何より大切なんだなあと。たとえ、いいアイデアがあったとしても、信頼関係がなければ何も話せないし何も生まれないんです。
ある人に、「組織づくりには『いる』『なる』『する』の順番が大事」と教えてもらったことがあります。いまの世の中は「あなたはこれが得意だから、これをしてください」と「する」が中心になりがちです。ただ、そのやり方だとそもそもお互いのことをよく知らないから、「する」がうまくいかなかったときに柔軟な対応ができなくなってしまう。
だからまずは一緒に「いる」ことからはじめるのが大切です。一緒にいてお互いが心地いいなあと思えたら仲間に「なる」。その結果、自然と「こんなことやってみたいね」というアイデアが生まれ「する」ができるようになる。
コーチングは、まずコーチとクライアントが共に「いる」ことから関係性をはじめていきます。THE COACH ICPは、この「いる」という感覚を頭だけでなく体で理解するのに適した場だと思いますね。
——信頼関係を築くために、具体的にはどんなことを実践していますか?
「うれしそうですね」「ワクワクしてますね」と相手の表情から伝わってくるものをそのまま伝えるようにしています。自分のことをよく見てくれていると安心するのか、心を開いてくれるんですよね。
テクニックというよりかは、相手の話にちゃんと耳を傾けることの楽しさを僕自身が感じるようになりました。
自分を知るための「家族インタビュー」
——職場や家族の関係性にも何か変化はありましたか?
実は最近、親にインタビューすることにハマってるんです。どんな人生を歩んできたのか、どんな家庭で育ったのか、これからどんなふうに生きていきたいのか、抱えている囚われやコンプレックスは何か、子どもにどんな期待を寄せているか。これまで聞いたこともなかったような全てを1人2時間くらいかけて傾聴しているんです。
それらを聞くことが、結果として自分を知ることにつながります。自分の価値観や好み、コンプレックスがどこから来ているのか、家族で起きている連鎖が見えてくるんですよね。
——家族は近い関係だからこそ、そういった話をするのに躊躇ってしまうところがありそうですよね。
息子だからといって、忖度せずに思ったことをそのまま話してほしいと伝えています。でも、やっぱり親もそんな質問をこれまでされたことがなかったから、一度のインタビューで全部を話すことは難しいですよね。
例えば「僕は昔どんな子どもだった?」と聞くと、「優しい子だったよ」と答えてはくれるけど、どこか答えを濁している感じやさりげなく話をすり替えたことに気づくんです。
コーチングを学ぶ前は、多分そのことに気づかずにスルーしていたと思います。でも、いまは「答えを濁すってことはきっとここに何か大事なメッセージが隠されているかもしれない」と、気づけるようになりました。「わからなかったから、もう一回教えて」と、その場に踏みとどまれるようになったんです。
——言葉以外の空気や表情からも、メッセージを受け取れるようになったんですね。
一つ面白いなと思ったのが、僕が質問すると濁されてしまったものも、代わりに妹が質問すると、母親がすごく素直に答えている場面が多々あって。僕らの家族はとても仲良しですが、その様子を見ると僕よりも妹のほうが母親との信頼関係が強いのかなと感じました。
どんな傾聴スキルを身につけることよりも、やっぱり関係性が一番大事なんだなって改めて気づかされますよね。
“自分たち”の範囲が拡張された組織を目指して
——THE COACH ICPをどんな人にすすめたいですか?
一言でいうと「新しい時代の組織をつくっていきたい人」ですね。働き方や価値観が多様化する今、トップダウン的な組織づくりだけでは通用しなくなってきていると思います。
一緒に働く一人ひとりにはどんな原体験があって、その人が本当に望んでいることは何なのか。どんなエネルギーを持つ人なのか。まずは「いる」を通じてその人のことをよく理解した上で、共に何かを作り出していく。そういう組織のあり方を目指したい人にとっては、コーチングを学ぶことは大きな武器になると思います。
——青木さんが目指したい組織とはどんなものですか?
小難しい話をしてしまいますが、僕はいま“自分たち”の範囲が拡張された組織をつくりたいと思っています。
スタジオジブリの鈴木敏夫さんが昔、ラジオでこんな話をしていたんです。
ジブリは映画を作る際に、製作委員会でローソンから出資を受けていたそうです。ローソンは全国に約1万店舗あって、そこで働く人たちがポスターを貼ったりパンフレットを置いたりしてくれるわけです。
仮にその人たちに家族が3人いるとします。家族に「今度ジブリの新しい映画やるんだって」と話してくれたとしますよね。すると、それだけでジブリの仲間は30万人以上増えたことになるんだと。つまり、ローソンからの出資を会社同士の1対1の提携ではなく、30万人以上の仲間をつくることだと話していたんですね。
この考え方にはすごく痺れました。自分たちの会社だけではできることに限りがあります。でも、クライアントや株主、その家族や友人までも仲間であり、“自分たち”と捉えることができれば、自分たちが社会に与えられるインパクトは飛躍的に増すはずです。
僕らはインバウンド事業をやっていますから、日本中が仲間だと捉えることができたら、非常に強いですよね。僕自身も“自分たち”の範囲が拡張するとはどういうことなのか、まだきちんと体感できたわけではありません。これから少しずつ試行錯誤しながら、掴んでいけたらいいなと思っています。
執筆:佐藤伶
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