THE COACHではこれまで、オンラインでコーチングを学べるTHE COACH ICPやイベントの開催など、コーチングについてのさまざまな学びの場を設けてきました。ご参加くださった皆さまの中には「コーチングがどんなものなのか、なんとなくわかってきたよ」という方もいらっしゃるかと思います。
一方で、自身がコーチングを”受ける”となるとどうでしょう。どうやってコーチを選べばいいの?どんな気持ちで臨んだらいいの?初回のコーチングでは何を話せばいいの?と、小さなハードルを感じてしまいそうですよね。
そこで今回は、THE COACH代表のこばかなが、初めてコーチングを受ける皆さんに向けて「コーチングを受ける時に知っておきたいこと」についてお話します。本記事が、豊かなコーチングセッションをつくる助けとなりますように。
1. コーチ選びは直感でOK。”自分で”選ぶことを大切に
初回のコーチングセッションのコーチは、多くの場合クライアント(コーチングを受ける人)が自ら選びます。コーチングを受けたことの無い人だと「どんなことに気を付けながら選べば良いのだろう?」と迷ってしまう方もこともあるのではないでしょうか。
しかし実は、コーチ選びのときに大切にしてほしいのはご自身の”直感”なのです。
インターネットで洋服を買うとき、その商品を手に取ったり試着したりすることはできません。もちろん値段や素材などの情報は参考にしますが、最後に背中を押すのは「なんとなくこれが良さそうだな」という直感だったりしますよね。
コーチ選びにも、インターネットのお買い物と似たようなところがあります。もちろん、経歴、年齢、性別などの情報をもとに、自分とマッチしそうなコーチを選んでいただく方法でも良いと思います。一方で「なんとなく惹かれる」「ちょっと心が動いた」という言語化しにくい感情の揺れが、そのコーチを選ぶ理由であっても良いのです。
コーチングは自分の心と向き合う場。コーチ選びの段階からそれが始まっていると捉え、自分の心の動きに好奇心を向けてみてください。そうして”自分で”選ぶことが、コーチと関係性を築き、より良いコーチングセッションを作るための第一歩となります。
2. コーチングのスタイルはさまざま。いろいろな人の体験セッションを受けてみて
コーチングを受けることを検討している人の多くは、何らかの悩みやモヤモヤを抱えています。その場合、自分が抱えている悩みの種類と、コーチが得意とするジャンルを照らし合わせてコーチを選択したくなってしまうかもしれません。
もちろんその選び方でも問題はないのですが、「得意ジャンル」はあくまでも参考材料のひとつ。それ以上に注意深く見てほしいのは、コーチングのスタイルが自分に合っているかどうかという点です。
目の前のクライアントが成長したいと思ったときにその分だけ成長すれば良い、と見守るスタイルを大切にするコーチもいれば、クライアントの行動変容を促してくれるコーチもいます。また、まず行動した上で、行動しながら考えていけば良いとするコーチもいます。
ひとくちに「コーチ」と言ってもコーチングスタイルはコーチの数だけ存在します。同じスクールやアカデミーを卒業していても、そのスタイルはさまざま。当然、どのコーチングスタイルがしっくりくるのかも、クライアントによって異なります。
そのためわたしは、コーチを決定する前にいろいろな人の体験セッションを受けることをおすすめしています。体験セッションを受けた後は以下の観点で振り返りを行い、「この人と一緒に歩んでいきたいと思えるコーチ」を見つけてみてください。
3. セッションを良い時間にするのは自分自身
そもそもコーチングとは、クライアントが自分自身と向き合うための時間。コーチがアドバイスをくれたり悩みを解決してくれたりするサービスではなく、あなたがあなた自身の内側と向き合うためにサポートを行うものです。
そのため、セッションを良い時間にするのはクライアント自身と言っても過言ではありません。「このセッションをどのように良くしていこう」「今日の自分はどんなこと感じているんだろう」、そんな風に、クライアント自身が自分の内面に好奇心を持つことが、良いセッションを生み出します。
加えて、自分が選んだコーチを心から信頼し、安心して自分と向き合える場を自分で作るという姿勢も重要です。受け身にならず、コーチとともに主体的に場を作ることを意識してみてください。
4. セッションのテーマは自分で用意する
まれに、「コーチングがどのようなものか気になったので受けに来てみました」という方がいらっしゃいます。好奇心を持ってコーチングを受けに来てくださることはコーチとしてとても嬉しいことなのですが、セッションの時間をより有意義にするために、ぜひ「テーマ」を用意した上でいらしてください。
先にお伝えした通り、コーチングセッションはクライアントが自分と向き合う、”クライアントのための”時間。目的が不明瞭だと、セッションが成立しなくなってしまうこともあるからです。
ただし、テーマの解像度は粗くてもOK。「なんだか最近元気が出ないんですよね」、といった粒度でかまいません。抽象的なテーマだったとしても、「何か」を持ってきてくれさえすれば、どんなことを話していくかをコーチと一緒に決めることができます。
むしろひとりで具体的なテーマを設定しようとすると、論理的な思考になってしまいがちです。コーチングでは、コーチに対してわかりやすく論理的に伝える必要はなく、「元気がない」「モヤモヤする」といった感覚な気づきを得ることも重要です。まずは自分自身と向き合うための大きなテーマを準備してみてください。
5. 結論は出なくても良い。”日常”もコーチングのプロセス
コーチングセッションは、1時間の中で必ず結論やネクストアクションを導かなければいけないものではありません。大切にしてほしいのは、1時間のセッションの中で自分の感情や感覚がどうなっているのかに気づくことです。
コーチングセッションの中でそれらに気づくことさえできれば、セッションの終わりに「次はこうしてみよう」が頭の中に自然に浮かぶこともありますし、それが日々の生活の中で見えてくることもあります。
コーチングは「セッション中の1時間」を指すと思われがちですが、実は”日常”もコーチングプロセスの一環です。セッションをしている間だけ自分の心に好奇心を向けるのではなく、セッション中の気づきをもとに、日々の心の変化・行動の変化を注意深く観察していくのがおすすめです。
本質的な変化は時間をかけて起こっていくものだから
今回は、初めてコーチングを受けるときの5つのポイントをお伝えしました。あえて一言でまとめると、皆さんご自身が「自分と向き合うための良い時間にしよう」と思ってくださっていれば大丈夫。肩肘を張りすぎず、ありのままの皆さんでいらしてください。
また、コーチングセッションは継続することが何よりも大切です。それは、コーチングセッションの時間は気づきのきっかけであり、本質的な変化は時間をかけて起こっていくものだからです。
セッション中の気づきを日常に持ち帰ったものの、「やっぱり無理かもしれない」と立ち止まる。次のセッションを通じて新たな気づきを得て、もう一度ビジョンに向かって動き出す……。そんな風に「行っては戻り」を何度も繰り返しながら、自分の向かいたい方向に進んでいくのです。
そして、そのプロセスをともに歩んでくれる存在がコーチです。今回の記事が、人生を共に歩むコーチを見つけるための参考になれば幸いです。
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