国際的なコーチング組織というと、国際コーチング連盟(ICF)やコーチング協会(AC)、欧州メンタリング&コーチング協議会(EMCC)などがあります。その中でも日本で特に知られているのは、国際コーチング連盟(ICF)です。上記の組織の中で日本支部があるのがICFのみであり、国内ではICF認定資格を保有しているかどうかが、信頼できるコーチであるかどうかを表す指標にもなっています。
本記事では、ICF認定資格の概要から取得に必要な要件、難易度、そして取得にかかる費用まで、包括的に解説します。プロのコーチを目指す方や、コーチングスキルを磨きたい方はぜひ参考にしてください。
なお、コーチングを体系的に学びたい方には、オンライン型コーチングスクールのTHE COACH ICP™︎がおすすめです。ICF認定資格を保有した講師陣が、ICF認定資格の取得をサポートします。
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国際コーチング連盟(ICF) 認定資格とは?
国際コーチング連盟(International Coaching Federation:略称ICF)は、1995年にアメリカで設立された非営利組織です。コーチングの専門機関としては世界最大の規模を誇り、2024年6月現在で世界165か国・63,082人の会員が所属しています。
ICFが、世界基準のコーチングスキルを持つと認めたコーチに対して発行する資格が、ICF認定資格です。ICFが発行する資格(通称:ICF資格)は、コーチングのセッション実績などの条件により、3段階に分かれています。
名称 | 認定要件 | 難易度 |
---|---|---|
ACC(アソシエイト認定コーチ) | ・60時間以上のコーチング教育を受講・8人以上のクライアントへセッションを提供
・100時間以上のコーチング経験(うち、75時間は有償で行うこと) ・10時間のメンターコーチング受講 ・パフォーマンス評価にて合格点の取得 |
★☆☆ |
PCC(プロフェッショナル認定コーチ) | ・125時間以上のコーチング教育を受講・25人以上のクライアントへセッションを提供
・500時間以上のコーチング経験(うち、450時間は有償で行うこと) ・10時間のメンターコーチング受講 ・パフォーマンス評価にて合格点の取得 |
★★☆ |
MCC(マスター認定コーチ) | ・200時間以上のコーチング教育を受講・35人以上のクライアントへセッションを提供
・2,500時間以上のコーチング経験(うち、2,250時間は有償で行うこと) ・10時間のメンターコーチング受講 ・2つのパフォーマンス評価にて合格点の取得 ・現在PCC認定資格を保持している、または過去に保持していたことがある |
★★★ |
いずれの認定資格も、上記の要件を満たした上で認定資格試験(ICF Credentialing Exam)を受け、合格する必要があります。
国際コーチング連盟(ICF) 認定資格の難易度
国際コーチング連盟(ICF)認定資格の取得は、難易度が高いと言えます。
その理由の一つが、2024年現在コーチングに国家資格が存在せず、各民間団体の認定資格が乱立していることです。そのような中で、ICFは認定スクールでトレーニングプログラムを受講し、一定時間のコーチングセッション経験が必須となっているなど、厳格な要件を設けています。
ICF認定資格には、レベル別に3つの種類(ACC、PCC、MCC)があり、2024年現在の日本人資格取得者数は下記のとおりです。
- ACC:630名
- PCC:532名
- MCC:72名
このように上位の資格になるにつれて保有者数が大幅に減少しています。この数字からも、資格取得の難しさが伺えます。したがって、ICF認定資格の取得は、他のコーチング資格と比較しても難易度が高く、特に上位の資格ほど取得が困難であると言えるでしょう。
ここまで見ると、MCC取得までの道のりは非常に長く感じるかもしれません。しかし、ファーストステップとなるACCを取得するだけでも、国際的に信頼のあるコーチとして活躍できます。まずはACCの取得を目指し、コーチとして活躍しながらご自身のペースでPCC、MCCと少しずつレベルアップしていくことも可能です。
国際コーチング連盟(ICF) 認定資格を取得するまでの流れ
国際コーチング連盟(ICF)認定資格を取得するまでの流れは、ACC・PCC・MCCごとに求められる学習やセッションの時間数などが異なります。ここでは、認定資格を取得するまでの流れを詳しく見ていきましょう。
1.トレーニングを受ける
まずは所定の時間、コーチングのトレーニングを受ける必要があります。認定資格ごとに必要な時間数は、以下のとおりです。
- ACC:60時間以上
- PCC:125時間以上
- MCC:200時間以上
ICF資格のファーストステップとして、ACCを取得する場合は、60時間以上のトレーニングが必要です。具体的には座学での講義、コーチングセッションの練習などを経て、コーチングに関する知識や心構えなどを身に付けていきます。
コーチングスクールのTHE COACH ICP™︎では、基礎コース〜インテグレーション・コースを受講すると「60時間以上のトレーニング」の条件を満たせます。
2.経験を積む
コーチになるためのトレーニングを受けた後は、実践の場でコーチングのセッションを行い、コーチ経験を積んでいきます。認定資格ごとに求められる経験時間と、細かな条件は下記の表のとおりです。
認定資格 | 経験時間 | 詳細条件 |
---|---|---|
ACC(アソシエイト認定コーチ) | 100時間以上 | ・100時間中75時間は有償でのサービス提供する・25時間は認定資格の申請書提出前の18カ月以内に行う
・クライアント数は8名以上 |
PCC(プロフェッショナル認定コーチ) | 500時間以上 | ・500時間中450時間は有償でのサービス提供する・50時間は認定資格の申請書提出前の18カ月以内に行う
・クライアント数は25名以上 |
MCC(マスター認定コーチ) | 2,500時間以上 | ・2,500時間中2,250時間は有償でのサービス提供・クライアント数は35名以上
・MCC認定資格の申請の時点でPCC認定コーチである、または過去にPCC認定資格を保持していた |
THE COACH ICP™︎の場合、コーチングの実践経験を積んだあとは、コーチングの録音と文字起こしのログの提出が必要です。
3.メンターのコーチングを受ける
認定資格を取得するには一定時間以上のトレーニングに加えてICFの規定を満たすメンターのコーチングを10時間、3カ月以上の期間にわたり受ける必要があります。10時間のうち3時間は1対1でなければならず、残りの7時間は1対1もしくはグループでのセッションでも構いません。
認定資格ごとのメンター役に求められる条件は、以下のとおりです。
- ACC:PCCまたはMCC資格保有者、またはACC資格を1度以上更新していること
- PCC:PCCまたはMCC資格保有者
- MCC:MCC資格保有者
なお、THE COACH ICP™︎では、インテグレーション・コースを受講することでACC取得に必要な10時間のメンターコーチングの要件をクリアできます。そのため、自身でメンターコーチングの機会を設ける必要はありません。
4.認定資格試験の受験
講義や実践でコーチングに関する知識や経験を積んだあとは、ICF認定資格試験(ICF Credentialing Exam)を受験でき、合格するとICF認定資格を得られます。この認定資格試験はコーチングの基礎知識やICFのコアコンピテンシーなどの理解を問う筆記試験で、テストセンターまたはオンライン上で受験が可能です。なお、出題形式は選択式で、制限時間は3時間です。
国際コーチング連盟(ICF) 認定資格の取得にかかる費用
ICF認定資格の取得には、50万円から150万円程度の費用がかかります。
この費用が必要となる理由は、1つまたは複数のICF認定、または非認定のコーチ・トレーニング・プログラムを修了することが、ICF資格を取得する受験のためのひとつの条件であるためです。つまり、ICF資格を取得するためには、ICF認定スクールや大学などの専門機関でプログラムを受けたり、非認定プログラムの場合は必要書類を提出したりしなければならず、独学での取得が現実的ではないためです。そのため、ICF認定資格の申請自体に必要な費用325米ドル(ICF非会員の場合)とは、別にスクールに支払う費用が必要です。
日本国内のICF認定スクールでは、ACCの申請に必要な教育時間を満たす講座の受講費用が50万円から150万円ほどで提供されています。この受講料に加えて、ICFへの資格申請費用が必要です。認定スクールの受講費用は、スクールによってさまざまなので予算に合うスクールを探してみると良いでしょう。
なお、国際コーチング連盟(ICF)認定のライフコーチングスクールのTHE COACH ICP™︎は、コーチングを社会に普及させたい想いから、高いクオリティの授業を安価でお届けしており、ACCの資格取得のために必要な実践的なトレーニング(※基礎コース~インテグレーション・コースの全課程)を890,000円(税抜)で受講することができます。
国際コーチング連盟(ICF) 認定資格を取得するメリット
プロコーチとして活躍するには、必ずしも資格が必要なわけではありません。また、ICF認定資格以外の資格を取得しても、コーチとして活躍できます。そんな中、ICF認定資格の取得を目指すメリットは、下記の3つです。
- コーチに必要なスキルが自然と身に付く
- 一定以上のコーチングスキルを持つ証明になる
- 同じ資格を持つ人とのつながりができる
3つのメリットを詳しく見ていきましょう。
コーチに必要なスキルが自然と身に付く
ICF資格の取得を目指せるコーチングスクールでは、コーチングの基礎から応用まで体系的に学べるよう設計されています。例えば、傾聴や問いかけのスキル・スタンス、クライアントとの信頼関係構築など、プロのコーチに不可欠なスキルを段階的に習得できるのが特徴です。
実践的なロールプレイセッションも豊富に用意されており、理論だけでなく実践力も養えます。さらに、ICFの定める11のコアコンピテンシーに基づいた指導を受けることで、国際標準のコーチングスキルを確実に身につけられます。このようにカリキュラムを受講するだけで、コーチングの知見が全くない方も、コーチに必要なスキルが身に付けられるのがメリットです。
一定以上のコーチングスキルを持つ証明になる
2022年に実施されたICFグローバル顧客意識調査によると、コーチングを経験した85%の人が「コーチが資格を保持していることは重要であったと報告(引用:ICF公式HP)」しています。この結果からも、ICF認定資格の有無はコーチ選択の際にも影響を与えることが考えられます。
ICF認定資格は、厳格な基準に基づいて付与されるため、知識・スキル・実績・倫理規定を順守していることが証明でき、高い信頼性を持っています。例えば、ACC(アソシエイト認定コーチ)の場合、60時間以上の専門教育、100時間以上のコーチング経験、パフォーマンス評価など、多面的な審査を通過しなければなりません。
そのため、ICF認定資格を持っているだけで、クライアントや企業に対して自身のコーチングスキルの質を客観的に示す強力な証明となります。日本国内に限らず、海外でコーチとして活躍したい場合にも大いに役立つでしょう。
さらに、ICF認定資格は更新が必要であるため、コーチとして現役で活躍していることを示す材料のひとつにもなります。
同じ資格を持つ人とのつながりができる
ICF認定資格取得者は、同じ資格を持つ者同士で交流したり、情報交換したりする機会を得やすいのもメリットです。例えば、ICFジャパンが主催する定期的な研修会や交流会に参加すれば、最新のコーチング手法や業界動向について情報交換ができます。
また、ICFのオンラインコミュニティを通じて、世界中のコーチと繋がり、国際的なプロジェクトや協業の機会を得ることも可能です。
国際コーチング連盟(ICF)認定資格を取得するデメリット
国際コーチング連盟(ICF)認定資格を取得するのは、メリットだけではありません。下記の3つのデメリットもあります。
- 資格取得や更新に時間と費用がかかる
- 資格を取ったからといって仕事が保証されるわけではない
資格取得を考えている方は、デメリットも知った上で検討しましょう。
資格取得や更新に時間と費用がかかる
デメリットとして一番に考えられるのは、やはり取得に必要な時間と費用の問題です。ACCの取得を挙げると、まず教育トレーニングに最低60時間、次いで100時間のセッションの実施など、順調に進んでも資格取得までには1年〜1年半ほどを要します。
さらにスクールの受講費で、50〜150万円ほど必要です。晴れてICF認定資格を取得した後も3年ごとの更新が必要で、更新料は175米ドルのため、資格を保有し続けるためには費用がかかります。
資格を取ったからといって仕事が保証されるわけではない
ICF認定資格はコーチングの資格の中では権威性は高いですが、あくまで民間の資格であり、医師、弁護士などのように業務独占資格ではありません。そのため、コーチとして収入を得るためには、得意な領域を明確にし、ブランディングや集客などをしっかり考えて活動しなければなりません。資格があるからといって、それだけで仕事が舞い込んでくるようなものではないことを頭に入れておく必要があります。
国際コーチング連盟(ICF) 認定資格は独学で取得できる?
国際コーチング連盟(ICF)認定資格を独学で取得することは、事実上不可能です。なぜなら、ICF資格認定のためのキャリアパスに明確な基準が設けられており、独学での学習内容がこの基準を満たしているかを自己証明することが極めて難しいからです。
例えば、ICF認定外の教育を受けた場合、その内容がICF基準を満たしていることを自ら証明しなければなりません。この過程では、文章のフォーマットや内容が合っているかどうかを自己判断する必要があり、さらに英語での申請文書を作成しなければなりません。このような要件を自力で満たすのは、難しいでしょう。
確かに、時間があって費用の工面が難しいという方にとって、独学での資格取得は魅力的に映るかもしれません。しかし、現実的にはICF認定スクールでのカリキュラムを受講し、適切な指導を受けながら試験に臨むことが、最も確実で効率的な資格取得の道筋となります。
国際コーチング連盟(ICF) 認定資格を取得できるスクール
ICFでは世界共通の教育基準を設けていることから、コーチングスクールのカリキュラムに対して認定基準の監督を行っています。そのため、ICF資格取得を目指せるスクールでトレーニングを受けることで、資格を取得可能です。
ICF認定資格を取得できるコーチングスクールはさまざまありますが、中でもTHE COACH ICP™︎は、完全オンラインで学べるコーチングスクールです。コーチングを社会に普及させたい想いから、ICF認定コーチによる実践的なカリキュラムを、資格取得までの費用を比較すると他社よりも低価格で提供しています。
もちろんリアルタイムで講師とのやり取りもできますので、一方通行の授業ではありません。また授業外の参加者同士の勉強会・交流会なども盛んで、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境があります。
無料の説明会や個別相談会を実施しているので、お気軽にご参加ください。
おすすめのコーチングスクールについて詳しくは、下記のページもご覧ください。
コーチングスクールのおすすめ12選!費用や取得できる資格などの比較表付き
コーチングの国際資格を取得するならTHE COACH ICP™︎
国際コーチング連盟(ICF)認定資格は、世界的に認知されたコーチングの専門資格です。ACC、PCC、MCCの3段階があり、取得には厳格な要件を満たさなければなりません。資格取得の難易度は高く、特に上位の資格ほど取得者が少なくなっています。
ICF認定を取得すると世界中でコーチとしての専門性を証明できるメリットがあり、とても魅力的です。ただし、独学での取得は事実上不可能なため、ICF認定スクールでの学習をおすすめします。
ライフコーチングスクールのTHE COACH ICP™️は、資格取得までの費用を比較すると他社よりも低価格で質の高い教育を提供しており、ICF認定資格取得を目指す人々にとって有効な選択肢の一つです。コースによっては、万が一納得できなかった場合に全額返金保障もご用意しております。
ICF認定資格の取得を目指している方は、ぜひ一度無料説明会や個別相談にお越しください。わからないことや不安なことなど、なんでもお答えいたします。
THE COACH ICP受講生の体験談を紹介
ここからは、THE COACH受講生の体験談を紹介します。コーチングを学ぶことで、どのように理想の生き方・働き方を手に入れたのか詳しく見ていきましょう。
THE COACH ICP™︎で学び、医療職から、ライフコーチとして独立。時間的にも金銭的にも自由な生活を手に
THE COACH ICP™︎には、「正解のないテーマに対して、自分の悩みを解決したい」「もっと、自分らしく生きれるようになりたい」など自分が望む人生を歩むために受講される方が多くいます。
今回お話を伺ったたけち みりさんも、「自分らしく生きる人を増やすサポートがしたい」と、THE COACH ICP™︎で学び、ライフコーチとして独立。
当初は、本業である医療現場に関わりながら、副業としてコーチをやろうと思っていたところ、徐々に「コーチングって、おもしろすぎる!」とのめり込んでいったそう。THE COACH ICP™︎ですべてのコースを学び、卒業と同時に医療職からコーチへ転身し独立されました。前職よりも時間的にも金銭的にも自由な生活を手にすることができているそうです。
メンバーの話を本当の意味で聴けるように。THE COACH ICP™︎受講後、マネジメントに起きた変化
THE COACH ICP™︎には、「組織づくりに役立てたい」「メンバーとの1on1の時間をより充実させたい」などマネジメントの現場で活かすために受講される方が多くいます。
今回お話を伺った若林 真悟(わかばやし しんご)さんも、コーチングの考え方をご自身のマネジメントスタイルに取り入れるため、THE COACH ICPヘいらっしゃいました。マネージャーに就任後、マネジメントにコーチングを取り入れてみようと独学で学ぶものの、本で学ぶだけで現場に活かすのは難しいと思い、受講を決意。
いざコーチングを学びはじめると、これまでの自分はメンバーの話を全然聞けていなかったんだと実感したそう。
受講後は以前から行っていた1on1の質に変化が起き、今ではメンバーを信じて素直に任せられるようになり、チームとしての生産性も向上したそうです。
プロコーチを目指していなくても、コーチングを学ぶ意味はあるのか
「コーチングの学びは、仕事にどう活きる?」「プロコーチを目指していない人が、コーチングを学ぶ意味はある?」という疑問をお持ちの方へ。
コーチングを学んだ後、コーチ以外の職種で活躍される方々の声もご紹介させていただきます。
コーチングスクールに100万円の価値があるのか
「コーチングスクールでの学びって、高い自己投資をするほどの価値があるの?」と躊躇している方へ。
コーチングスクールに100万円の価値があるのか?受講生の目線から率直にお話いただいた声もご紹介させていただきます。
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